
みなさん、こんにちは!ファイナンシャルプランナーの田島めぐみです。2025年もあっという間に、1月が過ぎてしまいました。すぐ、春になってしまいそうですね〜。
さてさて、本日のブログの内容は、退職を控えた方向けに書いていこうと思います^^
“60歳まで働いて退職し、65歳まで再雇用…” という流れが一般的になりつつある今。60歳でまとまった退職金を手にするものの、そのお金をどう管理すればいいのか迷う方も多いですよね。実際のところ、65歳以降の人生もまだまだ長いですから、何となく使いはじめてしまうのは危険なことでもあります。(1年経って預金残高を見たら・・・「!!!!」という方も少なくありません・・・)
そこで今回は、退職金を “一括受取” する場合に押さえておきたいポイントを、流れに沿ってお伝えしていこうと思います。ぜひ読んでいただき、じっくり活用方法を検討してみてくださいね。

1. そもそも退職後の資金、どれくらい必要?
退職金が入ったとき、まず考えたいのが “老後にどれだけのお金が必要か” ということです。今は再雇用や嘱託などで60歳以降も働く人が増えていますが、現役時代と比べると収入が大きく下がるケースが多いもの。加えて、65歳までの間は公的年金が少なかったり、年金受給のタイミングとのズレが生じたりします。
たとえばこんなケースを想像してみてください。
- 60歳で退職し、退職金を2,000万円受け取り
- その後、65歳まで再雇用で月15万円の収入(手取り)
- 生活費は家賃含めて月20万円ほどかかる
この場合、月々5万円の赤字になります。5年間で約300万円必要になる計算です。さらに、65歳以降は公的年金が増えるものの、どの程度不足するかによって、退職金で補填すべき金額が変わってきます。自分がどれくらい生活費として使うのかを把握することで、退職金を使うペースをイメージしやすくなるはずです。
2. まずは計画を立てる
退職金を受け取ったら、いきなりどんと使うよりも、ざっくりとした資金計画を立てることが大切です。これから長い人生を送る上で、主に次のような費用が発生する可能性があります。
- 毎日の生活費(食費・光熱費・家賃など)
- 医療費・介護費(年齢を重ねるほどリスクも上昇)
- 余暇や旅行など趣味に使うお金
- 万が一の突発的な出費(家電の買い替え、車の修理など)
退職金は大きな資金ですが、無計画に使うと案外あっという間になくなってしまうことも。自分がどこにどれだけ使うかをイメージし、ある程度の枠組みを作っておくと安心ですね。
3. 具体的な活用法とポイント
ここからは、退職金を一括でもらった場合にどのような使い方が考えられるのかを、いくつかの方法に分けてお伝えしますね。
生活費を確保する
「日々の生活費として使う分」は、最優先でキープしておきましょう。再雇用の収入や年金では足りない部分を補う形で、退職金を少しずつ取り崩して使うイメージです。仮に大きな買い物をしたくなっても、その後の生活費が逼迫しないかどうか、必ず確認してからにすると後悔を防げます。
生命保険の一時払い商品を利用する
退職金の一部を、一時払いの終身保険 に回す方法もあります。一括で保険料を支払うことで、死亡保障や介護保障を確保 しながら資金の一部を保管するイメージです。もし認知症などで自分で手続きができなくなった場合でも、指定代理請求人制度や給付金代理請求特約など、代理で給付金を請求できる制度もあります(※加入する保険会社に必ず確認してくださいね)
また、ご家族が保険内容を確認できるサービスもあるので、“自分だけで管理できなくなったとき” に備える仕組みとしても役立ちます。
投資信託で運用しながら取り崩す
最近注目されているのが、“投資信託で運用しつつ取り崩す” という方法です。退職金の一部を投資信託に回し、資産を少しずつ増やしながら定期的に引き出すイメージですね。具体的な取り崩し方法としては、
- 定額取り崩し
- 定率取り崩し
- 口数取り崩し
などがありますが、詳しい話はまた別の機会にまとめますが、ここでは、「運用しながら取り崩す」という選択肢もある、という点だけ押さえておきましょう。もちろん投資にはリスクが伴うため、投資経験やリスク許容度を踏まえて検討することが大切です。
予備費として現預金に確保
「いざというときに、すぐに使えるお金」を確保しておくことも忘れないでください。退職金をすべて運用や保険に回してしまうと、突然の出費に対応しづらくなることがあります。目安としては、生活費の半年〜1年分くらいは現金(普通預金や定期預金)で持っておくと、突発的な支出にも落ち着いて対処できますよ。

4. Aさん(60歳)の事例
ここで、実際のイメージとして、60歳で退職し、再雇用で65歳まで働くAさんの例を見てみましょう。
- 退職金:2,000万円
- 60歳から65歳までの再雇用収入:月15万円
- 生活費:月20万円
この場合、毎月5万円の不足が生じます。Aさんは退職金のうち、
- 5年間の生活費を補うために500万円
- 保険として介護保障つき終身保険に500万円
- 投資信託で運用しながら取り崩すために700万円
- 万が一のための現預金として300万円
といった形で振り分けました。あくまでもこちらは一つの事例で、実際の金額配分はそれぞれの事情によって異なります。
「生活費」「保障」「運用」「予備費」 と分けることで安心感を得つつ、自由に使えるお金も確保するようにしましょう。
5. 注意したいこと
一括で退職金を手にすると、「大きなお金が手に入った!」という気持ちでつい気が大きくなりがちです。しかし、老後の生活は意外と長く、何が起こるかわかりません。使いすぎや詐欺被害には十分注意しましょう。
- 退職金を狙った詐欺も多いので、「絶対に儲かる」などの甘い言葉には要注意。
- 一人で管理するのではなく、家族と相談しながら進める。
- 判断しづらい場合は、複数の金融機関や保険会社の話を聞き比べる。(※すぐに契約はしないで持ち帰って検討しましょう)
6. まとめ:退職金を賢く使って、長く安心を手に入れよう
退職金は、大きなチャンスでもあり、同時に大きな不安要素にもなり得ます。計画的に分配・運用しながら生活費や備えに活かすことで、65歳以降の人生をより安心して過ごせるようにしていきたいですね。
どの選択肢が自分に合っているかは、人によって違います。ぜひ一度、家族や信頼できる専門家と話し合いながら、自分にとってベストな方法を考えてみてください。しっかりとした計画があれば、退職金はきっと、これからの人生の大きな支えになってくれるはずです。
今回ご紹介した方法以外にも、いろいろな選択肢があります。もし「もっと具体的に相談したい!」と思ったら、いつでもお問い合わせくださいね。あなたに合ったプランを一緒に考えていきましょう。