【ブログ】もし働けなくなったら、収入はどうなる?

【ブログ】もし働けなくなったら、収入はどうなる?

こんにちは!ファイナンシャルプランナーの田島です。

沖縄は先週末、大雨がすごかったですね!
みなさん大丈夫でしたか?ニュースで車が駐車場で水に浸かってしまったのを見て、ビックリしました。水害は怖いですね。

ああいう映像を見ると、備えって大事だなと改めて感じます。
自動車保険でも、車両保険に加入していない方は意外と多いので、この機会にご自身の保険内容を確認してみても良さそうですね。

私は保険募集人としてのお仕事を約17年続けていて、事故だけでなく、病気やケガで急に働けなくなった方も、これまでたくさん見てきました。そこで感じるのは、みなさん「まさか自分がそうなるなんて」とは思っていない、ということなんですよね。

特に、年齢が若くて健康診断でも指摘がない方ほど、そう思いがちかもしれません。私も昔はそうでした!

年を重ねて少しずつ実感がわいてきた頃に、備えの大切さを身にしみて感じて行動する方も多いのですが、行動に移す前にそうした出来事に遭遇してしまったら……。それはもう、災害に遭ってしまったようなものですよね。

収入が止まり、出費が増え、家計がじわじわと水に浸かっていく。そんなふうにとらえると、けっして他人事ではないように思えてきます。

そこで本日のブログのテーマは、「もし働けなくなったら、収入はどうなる?」ということで、その備え方の考え方をお話ししたいと思います。

みなさんは、どんな保険に加入していますか?

医療保険は、CMなどでもよく目にするので、入院や手術にかかるお金をカバーしてくれるもの。

というイメージをお持ちの方が多いと思います。

世の中には「医療保険ほど損な保険はない」「医療保険なんていらない」という声もありますが、必要かどうかはご家庭の状況や働き方、考え方によって変わりますので、正直なところ「これが正解」というものはない、と私は思っています。

ただ、病気やケガで働けなくなったときは、治療費だけが問題ではありません。

お給料が減ったり、思わぬ出費が増えたりと、お金まわりでいろいろな困りごとが出てきます。

この「お金の不安」については、やはり備えておいたほうが安心ですよね。

ここで大事なのが、まず国の制度(公的保障)があるということ。
そして、それでも足りない部分を自分で補う、という順番です。


つまり「国の制度でカバーできないところを、民間の保険や貯金で埋めていきましょう」ということですよね。

では、実際に働けなくなったとき、どれくらいのお金がかかるのでしょうか。具体的な例を見ながら、民間保険が必要かどうかも一緒に考えていきましょう。

例1:うつ病で6カ月お休みした場合

まずは、うつ病で会社を長くお休みするケースです。ある会社員の女性が、うつ病で長期間休まざるを得なくなったとします。

【うつ病で6カ月休んだ場合の試算】

・治療にかかるお金(通院+薬代):約18万円

・減ってしまうお給料(傷病手当金でも足りない分):1カ月あたり約9.3万円 × 6カ月 = 約55.8万円

・その他の出費
 通院の交通費:1,000円 × 24回 = 約2.4万円
 自分をケアするためのお金(本やリラックスのための費用):5,000円 × 6カ月 = 約3万円
 小計:約5.4万円

合計の負担:治療費18万円 + その他5.4万円 + 減ったお給料55.8万円 = 約79.2万円

みなさんが、この費用をみて思うのは、治療費以上に休んだ時の給与の減少ではないでしょうか。
職場復帰をしても、再発を繰り返してしまうケースでは、転職をしなければならないこともあります。転職先で収入アップが見込めれば良いのですが、そうでないことも。。。。

例2:脳梗塞で重い後遺症が残った場合

次は、脳梗塞で重い後遺症が残ってしまったケースです。50歳の男性(お給料が月40万円ほど、家族は奥さんと子ども2人)を例にします。この方の収入は「年収だいたい370万円~770万円」の層に当てはまります。(*2)
入院とリハビリが必要になったとして、かかるお金を計算してみましょう。

【脳梗塞で重い後遺症が残った場合の試算】

・入院(90日間)の自己負担
 国の制度(高額療養費制度)を使った後で:約8万1,000円 × 3カ月 = 約24.3万円(*2)

・退院後のリハビリ(通院6カ月)の自己負担
 負担を軽くする仕組みを使った後で:4万4,400円 × 6カ月 = 約26.6万円(*3)

・治療費の自己負担の合計:約50.7万円
 (入院90日も、実際には月をまたぐので、ひと月ごとに上限が計算されます)

・その他の出費
 家のバリアフリー工事:約100万円
 車椅子や補助器具など:約15万円
 通院の交通費:約6万円
 介護サービスの利用料:約18万円
 小計:約139万円

・1年間で減ってしまう収入:約138万円(*4)

1年目の負担の合計:治療費50.7万円 + その他139万円 + 減った収入138万円 = 約327.7万円

やはり、うつ病と同じく給与の減少が気になります。生活しているだけでも、毎月の出費はありますので、もしも自分自身が働けなくなってしまったら、どんな影響があるのか?という視点を持ちながら、備えの仕方を考えてみる必要がありますね。

国の制度だけでは「足りない部分」が残る

年収や受ける医療サービスによっても、金額はもちろん変わってくるのですが、この数字を見ると、国の制度や高額療養費制度があっても、働けなくなると家計にかなり重い負担がかかることがわかります。

治療費そのものは制度で安くなっても、減ったお給料や、治療以外の生活まわりの出費が、じわじわと家計を圧迫してくるのです。

国の制度は、生活を支える土台としてとても大切です。ただ、その金額には限りがあります。

傷病手当金や障害年金といった仕組みはありますが、実際の生活費や治療まわりの出費を全部カバーするには足りないことがほとんどです。

民間の保険は、この「足りない部分」を埋める上乗せとして働いてくれて、もしものときのお金の不安をぐっと減らしてくれるものがあります。(保険の種類は医療保険だけではないです。就業不能保険や所得補償保険など、さまざまです。)

ちなみに、家計に大きく関わる高額療養費制度は、2026年8月と2027年8月に段階的に見直される予定です。(*5)

自己負担の上限が上がっていく方向なので、「国の制度があるから大丈夫」と思っていた部分が、これから変わってくるかもしれません。最新の動きにも目を向けながら、備えを考えていきたいですね。

つまり保険を考えるときは、「どんなリスクがあって、病気になったら実際いくらかかるのか」を具体的に思い描いてみることが大切です。

そのうえで、国の制度でまかなえる部分、民間の保険で補う部分、貯金でカバーできる部分を、それぞれはっきりさせておく

ご自身の暮らしや家計を一度しっかり見直して、必要な備えを整理しておけば、いざというときも落ち着いて生活を続けられるのではないでしょうか^^

冒頭の水害の話に戻りますが、災害は「来てから」では間に合いません。

働けなくなるリスクも同じです。皆さんもこの機会に、ぜひ一度ご自身の保険を見直してみてくださいね!

【注釈・参考】少し複雑なので、下記にまとめております↓

*1 傷病手当金は、雇用保険ではなく健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)から支給されるお金です。仕事以外の病気やケガで連続して3日間休んだうえで、4日目以降のお休みに対して支給されます。金額は「直近12カ月の平均的なお給料 ÷ 30日 × 3分の2」で計算され、通算で最長1年6カ月もらえます。うつ病などの心の病気も対象です。

*2 高額療養費制度の自己負担の上限は、収入によって変わります。お給料が月28万~50万円(年収だいたい370万~770万円)の層では、ひと月の上限が「80,100円+(かかった医療費-267,000円)×1%」で計算されます。本記事ではおおよそ8万1,000円としています。

*3 同じ12カ月のうちに3回上限に達すると、4回目からは上限がさらに下がる仕組み(多数回該当)があります。この収入層では、4回目以降のひと月の上限が44,400円になります。

*4 減った収入の金額は、傷病手当金(お給料の約3分の2を最長1年6カ月)を受け取ったうえで、それでも足りない分のおおよその目安です。受給できる期間が終わった後や、お給料の水準・お休みした日数によって金額は変わります。

*5 高額療養費制度は、2026年8月に上限が一律で引き上げられ、2027年8月には収入の区分が細かく分けられて、さらに見直される予定です(4回目以降の上限は据え置きの方向)。

本記事の試算は一定の前提を置いたおおよその金額です。実際の金額は、加入している保険や収入、治療の内容によって変わります。最新の制度内容は、全国健康保険協会(協会けんぽ)や各健康保険組合、厚生労働省の公表情報をご確認ください。