【ブログ】サブリース契約について シリーズ第2回サブリース契約の「本当の姿」

【ブログ】サブリース契約について シリーズ第2回サブリース契約の「本当の姿」

みなさん、こんにちは!

4月後半に開催されたメディア主催の大規模マネーセミナーでは、多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。おかげさまで、その後の個別相談のご依頼が相次ぎ、嬉しい悲鳴とともに、慌ただしい日々を過ごしております。

そんな中で、ついブログの更新が滞ってしまっておりましたが、、、
有言実行!の気持ちを胸に、本日ようやく第2回サブリース契約に関する記事をお届けします。

今回も、不動産オーナーや将来の相続を見据えた方にとって重要な内容となっていますので、ぜひ最後までご覧いただければ嬉しいです^^
前回の記事はこちら

サブリースは一定のメリットも存在します

まず前提として、サブリース契約には「空室時の家賃保証」や「入居者対応をすべて任せられる管理の手軽さ」といった、特に不動産経営に不慣れなオーナーにとっては有効な一面もあります。特に本業のあるサラリーマン大家や、高齢で自主管理が難しい方にとっては、収益の安定感や煩雑な業務の軽減という恩恵を感じるケースもあります。

しかしながら、こうしたメリットだけを過信してしまうと、見えにくいリスクへの備えが疎かになり、結果として将来のトラブルを招いてしまう可能性があるのです。

「ずっと安定家賃は入る」は本当?

サブリース業者との契約では、「10年間は賃料固定」などの条件が示されることがあります。しかし、実際にはこの固定期間が終了すると、業者から賃料減額の申し入れがされるケースが多く報告されています。
※1:消費者庁「サブリース契約に関する注意喚起」(2020年8月)

賃料改定条項は「○年ごとに見直し協議」とされるのが通例で、大家が同意しないと契約を解除される可能性があるという見えない圧力が生じるのです・・・。

実際の運用では、「空室率の上昇」「建物の老朽化」などを理由に賃料を10~30%近く引き下げられる事例もあります。※2:住宅新報社『サブリース契約の家賃減額事例と法的対応』(2021年)

さらに問題なのは、オーナー側に拒否権があるように見えて、実質的には拒否すれば契約解除を示唆されるなど、対等な立場とは言い難い点なんです。

解除の難しさと業者側の強い権利

サブリース契約は、借地借家法が適用され、オーナーが「貸主」、サブリース会社が「借主」という立場になります。借主(業者)は法的に強く保護されており、大家が一方的に契約を解除することは基本的にできません。※3:借地借家法第28条、国土交通省「賃貸住宅管理業法に基づく解説」(2020年)

一方、業者側は「契約書に定められた要件を満たせば解除できる」とする条項を設けていることが多く、非常に不公平な構造になっています。

実際のトラブル事例

ある事例では、契約10年経過時に賃料を30%減額されたうえ、その後も定期的な減額が繰り返され、最終的には当初の半額近い賃料にまで落ち込んだという声もあります。これによりローン返済計画が破綻し、収支がマイナスに陥る例も報告されています。※4:国民生活センター「賃料減額と解約をめぐるサブリース被害事例」(2020年)

国土交通省は、2020年に「サブリース住宅の契約に関するガイドライン」を策定し、契約前にオーナーに対して賃料減額の可能性などの重要事項を説明するよう業者に義務づけています。しかし、こうした説明が不十分なまま契約してしまい、トラブルに発展するケースは今も後を絶ちません。

まとめ 契約書は「読んでも安心」ではなく「読まないと危険」

サブリース契約には、大家にとって一見メリットが多いように見えて、実際には「自由が効かない」「収入が減るリスクが高い」など、将来的に悩まされる落とし穴が多く存在します。確かに一定の安定収入や管理軽減といった利点はありますが、それ以上にリスクへの理解と備えが必要です。だからこそ、契約書の読み込みと、契約後の見通しを冷静に見極めることが不可欠なんです。

次回は、相続が発生した際にサブリース契約がどのように影響を与えるか、家族への引き継ぎの観点から掘り下げて書いていこうと思います。

家計相談だけではなく、相続時の保険活用方法などもご相談ができます。
お気軽にお問い合わせくださいね^^

ファイナンシャルプランナー
田島めぐみ